だが、英国ではむしろ日本企業の躍進ぶりが目立つ。2017年、東日本旅客鉄道と三井物産は、ロンドン─バーミンガム間の長距離路線と、バーミンガムの都市圏輸送についての運営権を獲得した。また、2018年からロンドン─インバネス(スコットランド)間で運行を開始する高速鉄道には、日立製作所の新型車両「あずま」が採用された。

 高速鉄道網の開発が遅れる英国では、目下「ハイスピード2」という高速鉄道計画に注目が集まる。ロンドン・ユーストン─バーミンガム間を結ぶ計画の、車両製造の候補企業に選定されたのは日立だった。

中国平安保険が買収したロイズ保険本社ビル Photo by K.H

 鉄道以外でも日本企業が健闘する。2015年、三井不動産はロンドンで取得済みの英国放送協会(BBC)の土地・建物について、総事業費約4000億円の大規模再開発事業に乗り出している。2016年にはソフトバンクが、英半導体設計会社ARMホールディングスを240億ポンド(約3兆3500億円)で買収した。

 在英の日本人駐在員も、異口同音に「英国への投資は、中国企業より日本企業の方がはるかに多い。英国企業にとっても、中国より日本の方がよりいいパートナーであるはず」と自負をのぞかせる。

 中国による対英投資残高は、2016年に178億4000万米ドル(約2兆0087億円、中国商務部)に伸びた。それでも同年の日本の対英投資残高は、1200億米ドル(約13.5兆円、財務省)だから、中国の対英投資は日本の足元にも及ばない。何しろ、中国による対外投資が活発になったのは2000年代からであり、先進国への投資も緒に就いたばかりだからだ。

 だが、油断はならない。中国と英国は確実にその距離を縮めているからだ。

※次回(1月12日(金)公開予定)に続く