2011年の日本経済は、東日本大震災の影響で、供給力が低下し、マイナス成長に陥ることはほぼ間違ない。では、2012年はどうなるのだろうか。

 結論からいえば、緩やかながらもプラス成長に復帰しそうだ(表1参照)。震災からの復興需要が本格化するうえ、自動車需要の盛り上がり、消費増税前の駆け込み需要などが、見込まれるためだ。

問題国の国債が大量償還
ユーロは1月~3月が天王山

 だが、このシナリオを狂わせるリスクがあるとすれば、それはやはりユーロ危機である。そして、ドイツのメルケル首相こそが、ユーロ危機がハードランディングを迎えるのか、ソフトランディングに成功するのか、そのカギを握っている。

 試練は12年の年明け早々にもやってくる。依然として、財政状況が不安視されているPIIGS(ポルトガル、イタリア、アイルランド、ギリシャ、スペイ ン)諸国の、国債の大量償還が待ち構えているからだ。2月にはイタリア、3月にはギリシャ、4月にはスペインと続く(表2)。