「仕事のお昼休み。何気なく『英語を話せる人に憧れる。私も勉強しようかな』と言ったところ、たまたま通りかかった上司が『今、何歳だっけ?25歳か。25歳でやっとそう思ったんだね』と返されました。『英語を覚えることより、英語で何を伝えたいのか考えたほうがいいよ』と。アドバイスといえばアドバイスなのですが、そんなことはわかっているし…。イラッときました」(20代女性)

「センター試験のシーズンに10歳年上の先輩とお昼を食べていたら、ニュースを見ながら『お前らはいいよなあ。俺たちの頃よりずっと大学入試がラクで』と話してきました。その場ですぐ話は終わったのですが、先輩はオフィスに戻ってからも、別の若手に『さっきも話したんだけどさ、お前らはいいよな。入試がラクで』と切り出していました。どれだけこの人は認めてほしいんだろうと、なんだか切なくなりました」(20代男性)

 どれも何気ない世間話ではあるが、若手は確実に不快感を抱いている。もしかすると、当事者は明確な意図を持たず、話の流れで発した一言なのかもしれない。しかし、それを聞いた若者は、「この人は自分が上であることを示したいんだ」とはっきり感じているのだ。

仕事中も止まらぬマウンティング
さりげなく部下に恥をかかせる上司

 さて、このような「マウンティングおじさん(おばさん)」は、世間話だけに限られるのではない。実際の仕事のやりとりにおいても行われている。

 医療法人社団同友会の産業医である大室正志氏は、約30社の企業で産業医を担当している。その中で、年上から年下への仕事におけるマウンティングは、「以前より確実に増えている」という。

 では、ビジネスシーンでのマウンティングとはどんなものか。大室氏は、こんな例を挙げる。