自撮りする若い女性写真はイメージです Photo:PIXTA

「若者は自撮りが好き」という印象を持つ方は多いと思います。しかしその一方で「デジタルネイティブなのでネットとの付き合い方に慣れている。SNSに素顔をさらしたりはしない」と考える方も多いのではないでしょうか。スマホとともに育ってきたZ世代はもちろん自撮りに慣れており、ネットやSNSとの距離感も必要に応じてコントロールしています。今回は若者の自撮りトレンドとその変遷についてご紹介します。(ITジャーナリスト・スマホ安全アドバイザー 鈴木朋子)

若者は本当に「自撮り」好き?SNSに顔出しには抵抗が……

「若者は自撮り大好き」……そう思っている読者の方は多いのではないでしょうか。実際、今のZ世代はスマホとともに青春を送り、学校やレジャースポットで「映える」写真を撮影してきました。しかし、そのブームは少しずつ様子を変えているのです。

 SHIBUYA109 lab.が2025年7月に発表した「Z世代のSNS利用最新動向2025」を見ると、SNSに投稿する写真や動画の撮影方法について、「顔やスタイルなどが映った写真を投稿することに抵抗がある」と答えたZ世代の女性は75.6%にものぼっています。

 でも、彼女たちの「Instagram」には、自撮りや他撮り(他の人に撮影してもらった写真)がたくさん投稿されています。「BeReal.」は、前後カメラで撮影するため、自撮りが前提になっています(参照記事)。

 なぜ、自撮りに抵抗があるにもかかわらずInstagramやBeRealに投稿しているのか?それは自分の思い出を記録するためであったり、自分の好きな世界観や雰囲気を表現するために投稿しているのです。人気のカフェに行ったこと、そこで食べたスイーツ、自分のコーデ(コーディネート)、友人との記念撮影など、楽しかった思い出をSNSに残したいのです。また、店選びやコーディネートで、つながっている友人に自分のキャラクターやセンスをアピールしたいという思いもあります。

 しかし、顔やスタイルを出すと、周囲から「ブスのくせに」「足が太い」といった陰口を叩かれてしまうかもしれません。自分の容姿について自信がないのに、周囲からうぬぼれていると思われてしまう可能性があるのです。

 その折衷案として若者にブームとなっている撮影方法が、「顔隠し」です。