(1)「取引先は、壊れず安定的に使える商品を望んでいそうだ」
(2)「経費削減のため、見積もりが安いほうを選択せざるをえない」

 アメによって、それぞれ打ち手も変わります。(1)であれば「うちの商品は品質がよく壊れない。10年使うならランニングコスト面でライバル会社よりお得」という提案が考えられます。

 (2)であれば「安く導入してもらい、メンテナンスコストを調整して回収する」という打ち手になるでしょう。

 ソラ・アメ・カサを身につけるのは簡単です。上司に報告する際、頭の中で、「ソラを伝えたので、次はアメ。最後はカサ」と順番を守って話せばいいだけです。すぐ習慣になります。

 ただし、1つ注意点があります。洞察には「課題や原因」を探すのと、「未来を想定」する2種類があります。日本人は改善思考が強いこともあり、アメを考えるとき、つい課題や原因を探ってしまうことが多いのです。

 課題や原因の洞察が正しくても、「その結果どうなりそうか」という未来予測が異なると、打ち手も異なります。日本人は下図のように、ソラ(お客様がこない)に対し、アメが「お客様にこの店のことが知られていない」や「料理がおいしくない」など原因探しになりがちです。

報連相ではなく、「ソラ・アメ・カサ」で確認する

 これを回避して未来を洞察するのは簡単。「どうなりそうか?」という問いに答えることです。この問いに答えると、自然と頭が切り替わります。

「ソラ・アメ・カサ」は上司から指示を仰ぐときだけでなく、現場から打ち手を提言するとき、会議で意見が合わないとき、上司にもアイデアがないときなど、さまざまな場面で活用できます。すぐ身につけましょう。

■参考記事
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