もっとも、夫の再三にわたる忠告を無視する形で別居に踏み切ったので、景子さんが「生活費を送ってほしい」と懇願しても「お前は自分が何をしでかしたのか分かっているのか?もう自己責任だろ!?そっちで何とかしろよ。無理だって言うなら優愛をこっちに返せよな!!」と、呆れてものも言えないという感じで断られてしまいました。

 確かに、夫は月8万円の住宅ローンに加え、自宅の修繕費のローン月4万円を組まざるを得ず、年収500万円の夫には二重のローンが重くのしかかってました。3人暮らしが1人暮らしになったところで、生活費は3分の1になるわけではありません。反対を押し切って姿を消した妻子へ仕送りするほどの余裕はないというのが本音だったのでしょう。

 景子さんは、娘のために加入していた学資保険を泣く泣く解約し、新天地での生活を始めたそうです。

 そして、生活費をもらえない以上は、夫と一刻も早く離婚し母子家庭になり、手当などを受けながら生活したいと考えていました。しかし、夫は離婚を拒み続けたそうです。

東京電力の賠償金がきっかけで
夫が離婚に応じ、養育費の支払いも約束

 ところが、東京電力からの賠償金の支給開始で事態が急展開しました。東京電力は放射線被害から免れるために妻子が自主避難生活を送っていたと認定し、世帯主である夫に対し賠償金が振り込まれたのです。予期せぬ形で夫の羽振りも気前も良くなったようで、一転して離婚に応じ、毎月4万円の養育費を約束し、それを公正証書に残すことにも協力してくれました。離婚時に公正証書化しておいたのは景子さんにとって不幸中の幸いでした。

 離婚後しばらくして、景子さんは福岡県内で被災者への支援を起こっているNPO法人の職員・山本義人さん(36歳)と交際し、昨年再婚しました。結婚前から山本さんは景子さんと娘の優愛さんに金銭的な援助もしてくれてました。

 優愛さんは山本姓を名乗り、再婚相手の戸籍に入るために娘さんと彼の養子縁組を行いました。もっとも、再婚や養子縁組の件を知れば元夫は養育費を払わなくなると考えていたため、元夫には知られないようにしていました。

 しかし、景子さんが懸念していた通り、戸籍を見た元夫からメールが届きました。

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