長期間維持することは
難しい仮想通貨の価値

 現在流通している多くの仮想通貨は、インターネット空間で発行や取引が行われる通貨を指す。取引されている通貨は、政府や、中央銀行が発行したものではない。信用力に何らかの裏付けがあるものではない。

 そのため、価値は人々の人気に依存し、大きく変動する。昨年末1ビットコインの対円での交換レートが200万円を上回ったのち、足許では90万円程度まで急落した。価値が大きく変動するため、どうしても投機の対象となりやすい。また、コインチェックのように、取扱業者のリスク管理の不備などで、多額の仮想通貨が不正に流出するリスクもある。

 ただ、仮想通貨にはメリットがあることも確かだ。

 特に、送金などにかかるコストの削減は大きい。例えば、フィリピンでは人口の1割程度が海外に出稼ぎに出ている。彼らの仕送り額はGDPの約10%に達する。出稼ぎ先で常に銀行で口座を開設し、母国の家族らに送金ができるとも限らないだろう。

 それに比べ、スマートフォンを活用してビットコインなどの仮想通貨を購入し、それを本国に送金することで送金の手数料を抑えることができる。これは大きい。今後も、送金などの分野で仮想通貨が支持される可能性はある。

 問題は価値が不安定であるという点だ。それは、お金としては致命的だ。仮想通貨が投機の対象として扱われた結果、各国の法定通貨に対する交換レートが大きく変化し、保有すること自体が危険だという見方が増えるかもしれない。

 また、マネーロンダリングの防止などを理由に規制が強化される可能性は高まっている。ビットコインの場合、発行上限が約2100万枚と制限されているため、流通にも限界がある。長い目で考えると、価値の裏付けのない仮想通貨が永続的に利用されるとは考えづらい。仮想通貨に対する注目度が大きく落ち込む可能性もあるだろう。