SNSは若者のメンタルヘルス上に問題?
それは特に、不安やうつ、自尊心、リスクテイク、身体像、自傷、睡眠の質、セクスティング〔自分や友人を被写体として性的な画像を撮影・送信すること〕、依存型の行動といった分野について言える。
最新の研究によれば、不安やうつに悩む若者の割合は、過去25年間で70%増加している。また若者たちは、5つのメジャーなソーシャルメディアのうち4つが、彼らの不安感を増大させていると答えている。
英国の王立公衆衛生協会(RSPH)が2017年に発表したレポートは、若者に対して、「ソーシャルメディアがメンタルヘルスの問題を引き起こす可能性がある」と指摘している。
不眠症も増加傾向にあり、若者の5人に1人が、ソーシャルメディアをチェックするために夜中に起きることがあると回答している。その結果、そうした若者の間では、学校で常に疲れを感じる度合いが3倍も高くなっている。
10代の女の子の10人に9人が、自分の身体に不満があると答えており、彼女たちの間で摂食障害のために入院するケースが急増している。私はこの傾向が、ソーシャルメディアの普及と、「プロアナ(拒食症支持)」や「プロミア(過食症支持)」に関係するサイトの増加にリンクしていると考えている。それらは脆弱で、自意識が過剰になる傾向のある10代の若者に、大きな影響を与えてしまうのだ。
私は常に、未成年者のセクスティングが大きな社会問題になると警告してきた。デンマークでは、千人もの若者が、2人の15歳の若者が性行為をしている動画をシェアしたとして、児童ポルノ所持の罪で訴えられている。有罪になれば、彼らは罰金を科せられ、刑務所に入り、児童に関係する仕事に就くことを10年間禁じられるおそれがある。
さらに悪いことに、米連邦議会の下院は、セクスティングした若者に15年間の懲役が科せられる可能性のある法案を通過させた。ならば、セクスティングを容易にするアプリを開発したデベロッパーは、どのような罪に問われるのだろうか?