もしあなたが億万長者なら、話は簡単すぎます。金に糸目をつけず、こうした「妻の言い値」を丸飲みし、言われるがままにお金を渡せばいいのです。とはいえ、世の中の99%は一般ピープルです。どうしても収入や財産、支払能力やコネは限られています。万が一、あなたが見栄を張り、早く楽になりたいがあまり、ついつい無理な援助を約束してしまうと、離婚後、あなた自身の生活が立ち行かなくなる恐れがあります。そうならないように、十分注意しましょう。

 具体的な金額は家庭によりけりなので、妻が欲しい金額とあなたが払える金額を個別に計算してみる必要がありますが、1つだけ言えるのは、今現在も妻と同居し、結婚生活を送り、妻を扶養しているのだから、それ相応のお金を妻のために使っているということです。

 それは離婚後も同じでしょう。ただ少し異なるのは、夫は夫、妻は妻で、別々に暮らし始めれば、家賃や公共料金、食費や日々の生活費は、離婚前に比べ、少し増えることは間違いありません。つまり、妻が高望みをせず、離婚前と同じ生活水準を維持すれば、夫から妻へのお金の援助は、無理のない常識的な範囲に収まるはずです。

 この話を参考に、離婚後の生活における「お金の不安」を取り除くべく、具体的な数字と援助の内容を明らかにすれば、もう大丈夫です。

「子どものために離婚できない」は
妻にとって本当に有利な言い訳か

 次は2つ目の「子どものため」について詳しく見ていきましょう。

 これは夫婦の間に未成年の子がいる場合の話。子連れ離婚の場合、親権の決定は必須です。親権とは子どもを引き取る権利のことですが、離婚届は「親権者」の欄があり、父親、母親のどちらかを選ばなければ、役所は受理してくれないのです。ちなみに、厚生労働省の統計によると、母親が親権を持つケースが全体の8割を超えているようです。

 だから、離婚したいのなら、夫は「子どもを失うこと」を覚悟しなければならないのです。厳しいことを言うようですが、それが現実なので、目を背けるわけにはいきません。もちろん、残り2割の家庭では父親が子どもを引き取っていますが、そのテクニックは今回の本筋ではないので、差し控えます。

 今回は、「離婚できるのなら、子どもをあきらめても構わない」という男性(夫)に絞って話を進めていきますが、そもそも「子どもを失う覚悟」を妻に示したところで、妻はそう易々と離婚にOKしてくれるわけではありません。むしろ妻は余計に態度を硬化させ、耳を塞ぎ、ヒステリックな反応を見せるはず。「子どものことをちゃんと考えてくれないの!そんな薄情な人の言いなりになりたくない!離婚するわけにいかないわ!」と。