福田次官は、物言いこそベランメー口調だが、永田町とのパイプも太く、社会保障政策に精通していた。そうした手腕を見込まれ、2015年に急逝した香川俊介元次官が道筋をつけた「消費増税」を実現させることが、福田次官の最大のミッションだった。

 前次官の佐藤慎一氏は、35年ぶりに主税畑から次官に就いたことで霞が関内を沸かせたが、省内で主流であり続けた主計局畑では、来期の“次官奪還”が命題となった。そして、無事に主計畑の福田氏が次官となり、その命脈は岡本薫明主計局長に確実に繋がって「ゆがみは是正」(財務省高官)され、再び主計局主流の時代になっていく予定だった。

 ところが、福田次官のセクハラ発言は“事実認定”されてしまい、「わずか1日で、問題の焦点は次官の進退問題に移った。任期満了までの時間稼ぎとして名誉毀損訴訟を言い出したのかもしれないが、それこそ決定的な事実が出てきたら、財務省はむこう10年は立ち直れない」と、財務官僚が呆然とした様子で頭を抱える状況となってしまったのだ。

ゆがみを是正するため
幹部人事一新の可能性も

 福田次官は辞任の意向を否定しているが、今後、新たな事実が報道されれば、確実に進退問題に発展する。

 それでなくとも森友問題で大幅に狂うと予想されていた財務省人事が、より不透明になったことだけは確かだろう。次は、これ以上の省内混乱を避けるため岡本主計局長が繰り上がるだろうが、その次を期待されていた矢野康司官房長の足下も危うい。

 では、矢野氏と同期の可部哲生官房総括審議官が主計局長に就き、次官コースを進むのかというと、それも疑問だ。官邸が、財務省のそれこそ“ゆがみを是正”するために、幹部人事を一新させる可能性だって無きにしもあらずだからだ。