AI(人工知能)や複数のコンピュータで記録を鎖のようにつないで共有するブロックチェーン技術によって、保険業に大きな変化が起ころうとしている。
新しい保険が登場し、従来の保険商品はそれに浸食される。それだけでなく、保険のビジネスモデルの基本が挑戦を受けている。
日本の保険業界は、これに対応して生き延びることができるだろうか?
「インシュアテック」で
保険が大きく変わる
保険の原理は、多数の類似のリスクをプールすることだ。
この基礎にあるのは、「大数の法則」だ。
例えば自動車の事故を考えると、個々の自動車について事故が起こるかどうかは、確率的にしかわからない。しかし十分な数の自動車を集めれば、一定期間の事故の発生数はほぼ確実に決まる。したがって損害額も決まる。それを保険料として徴収すれば、たまたま事故を起こした人に保険金を払うことができる。
この原理の発見が、中世のイタリアで保険という仕組みを生み、それが地中海貿易を発展させた。