
2025.7.10
トランプ25%関税で自動車産業の賃金や利益は“1割減”、台数維持の「輸出価格引き下げ」戦略は正しいか
自動車への関税賦課に対し日本の自動車メーカーは関税をほぼ全額負担してアメリカでの販売価格を不変に保つ政策を採ったことで販売台数の減少は抑えられたが、付加価値は1割ほど減少し、賃金や利益を1割程度減らすことになる。トランプ高率関税“恒…
一橋大学名誉教授
1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業、64年大蔵省入省、72年エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、2011年4月より早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論。主な著書に『情報の経済理論』『1940年体制―さらば戦時経済』『財政危機の構造』『バブルの経済学』『「超」整理法』『金融緩和で日本は破綻する』『虚構のアベノミクス』『期待バブル崩壊』『仮想通貨革命』『ブロックチェーン革命』など。近著に『中国が世界を攪乱する』『経験なき経済危機』『書くことについて』『リープフロッグ 逆転勝ちの経済学』『「超」英語独学法』などがある。野口悠紀雄ホームページ
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2025.7.10
自動車への関税賦課に対し日本の自動車メーカーは関税をほぼ全額負担してアメリカでの販売価格を不変に保つ政策を採ったことで販売台数の減少は抑えられたが、付加価値は1割ほど減少し、賃金や利益を1割程度減らすことになる。トランプ高率関税“恒…
2025.7.3
トランプ米大統領は、iPhoneの生産をアメリカに移せと主張しているが、これは全く誤った考えだ。iPhoneや台湾企業の受託生産が付加価値の大半を占めるが、現在の国際収支統計はこうしたファブレス製造などの先端的な経済活動の実態を適切に反映せず…
2025.6.26
“トランプ革命”はアメリカ建国の理念である制度的自由と三権分立を破壊する「反アメリカ革命」だ。「プアホワイト」の怨嗟に政治的基礎を置くトランプ政権の「アメリカ第一」は、制度の創設ではなく破壊を志向し、民主的制度の軽視や法の支配、大…
2025.6.19
40年国債利回りが3.1%になるなど、日本の長期国債金利の高騰が目立つ。生命保険のALM(資産負債総合管理)戦略見直しや財政リスクの高まりなどが原因として挙げられ、インフレ期待の変化の可能性もあるが、今の高騰との直接の関係は不明だ。だが、…
2025.6.12
ゲーム理論で「囚人のジレンマ」という個々の利益と集団による協力の利益が対立する状況がある。日本がトランプ関税の見直しを日本企業の対米巨額投資増額をカードに進める戦略は、他国に抜け駆けて一時的な利益を得られるが、他国と連携協調して米…
2025.6.5
日本製鉄によるUSスチールの買収構想は肝心の「子会社化」がなお曖昧だが、トランプ大統領が鉄鋼関税の50%引き上げを表明、問題視されてきた日鉄側の巨額投資などへの疑問が氷解した感じだ。だが関税の2倍引き上げで国外の鉄鋼製品は事実上、締め…
2025.5.29
4月の消費者物価上昇率は5カ月連続で3%を超え、先進国で物価高騰問題が最も深刻だ。スタグフレーションに陥っているにもかかわらず、政府・日銀は「物価と賃金の好循環」と肯定的に捉えている。抜本的な物価対策が必要だが、賃上げの恩恵を得られ…
2025.5.22
トランプ大統領は「アメリカの対外赤字はアメリカの損失」との認識で、関税引き上げによって輸入を減らし貿易赤字を減らそうとしている。しかし、これまでアメリカは経常収支赤字を続けることによって豊かな生活を実現してきた。アメリカの制度に対…
2025.5.15
トランプ大統領は、関税引き上げによる税収を財源にして所得税を減税するとしている。しかし、関税を負担するのは主としてアメリカ国民なので、アメリカが豊かになるわけではない。格差の拡大や経済全体の生産性も低下するなど、なんのプラスにもな…
2025.5.14
人生100年時代、生涯現役で働き、心身ともに元気でいたいと思っている人は多い。しかし、高齢者になってから、どのように働き、どう生きるかは容易に答えがでない。経済学者・野口悠紀雄氏は、「自分を正しく位置づけよ」と語り、技術革新の中で高…
2025.5.13
高齢化社会に突入している日本は、これまでの社会の仕組みを改革することが求められている。特に介護保険の財源は大きな課題だ。野口悠紀雄氏が考える実現可能な解決策とは。※本稿は、野口悠紀雄『終末格差 健康寿命と資産運用の残酷な事実』(角…
2025.5.12
新NISAが開始され、それまでより多くの国民が投資に興味を持つようになった。政府も「貯蓄から投資へ」のスローガンのもと、個人投資家の積極的な市場参加を促進している。しかし、野口悠紀雄氏はそのブームを冷ややかに分析する。※本稿は、野口悠…
2025.5.8
関税引き上げなどのトランプ政策が世界経済の最大リスクの状況だが、株価急落にはひるまなかったトランプ政権はアメリカ国債の暴落に見舞われると、「相互関税」の上乗せ課税の発動猶予のように即座に反応した。トランプ政策にストップをかけられる…
2025.5.1
トランプ大統領はスマートフォンやPCについて相互関税の対象から外し個別の半導体関税を課すことを発表した。中国からの輸入が主で高率の対中関税によって国内価格が急騰するのを回避する狙いのようだ。だが半導体課税自体がファブレス製造業という…
2025.4.24
3月の消費者物価上昇率が4カ月連続で3%台になった要因がコメ価格の高騰であることは間違いないが、より重要な要因は賃上げなどによる価格転嫁の広がりだ。輸入物価上昇への対応が主だった物価対策は便乗値上げの監視や生産性向上の支援などに変え…
2025.4.22
春闘の平均賃上げ率が5.46%となり、景気回復への期待が高まっている。しかし実態は、大企業が強い立場を利用して価格を引き上げ、消費者から利益を得ているに過ぎない。賃上げされない中小企業の労働者がその負担を担っており、これは「好循環」で…
2025.4.21
今年の春闘の平均賃上げ率は5.46%と、34年ぶりの高水準である。しかし恩恵を受けるのは主に大企業の社員に限られる。賃上げ分の原資は価格上昇による利益であり、中小企業に勤める多くの消費者がその負担を強いられている。大企業の賃上げのカラク…
2025.4.20
円安や低成長など日本経済は、急激に貧しくなった。この大きな原因は金融緩和政策だったと野口悠紀雄氏は語る。日本企業をぬるま湯につけ、生産性を落とさせた大失敗を解説する。※本稿は野口悠紀雄『日銀の限界 円安、物価、賃金はどうなる?』(…
2025.4.17
トランプ政権が打ち出した「相互関税」の税率は極めていい加減だ。これには貿易先国との損得を貿易収支の赤字・黒字で判断するトランプ大統領の反知性的性格が如実に表れている。「90日の発動停止」の間に日本を含め各国は見直しの交渉を進めようと…
2025.4.10
トランプ政権の「相互関税」は自由貿易への挑戦でありアメリカを含め世界経済に悪影響を及ぼす。日本政府は正面から問題を指摘すべきだが、日本政府がコメに高い関税障壁を設け国内のコメ市場を操作しているのは事実だ。相互関税に反論するにはコメ…
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