タイム・イズ・マネー
世界最速の「深セン速度」を生む

 労働契約、職業選択の自由、お金を貸し借りする自由、好きなところに住居を手配して住む自由……それまでの中国になかったさまざまな考え方が、次々に深センに持ち込まれたことを、改革開放博物館のさまざまな展示は伝えてくれる

 さまざまな深センのスローガンの中で、もっとも強調されているのは「時間就是金銭」、つまりタイム・イズ・マネーだ。「効率こそ命」という言葉と並んで、深セン市内の各所で見かける。

タイム・イズ・マネー
(左)深セン各地で見かけるタイム・イズ・マネーのスローガン。蛇口の港を降りたところにまず大きく掲げられている/(右)「タイム・イズ・マネー」については巨大なパネルも設けられている。深センを象徴する言葉だ

 最初から計画されている計画経済と違い、とにかく早く手を打ち、効率を考えながら試行錯誤をする、設計図もなく白紙だった都市に道路も建物も社会制度もゼロから作り上げていく。最初に作ったものは多くはうまくいかないので、高速で作り直す。もともと白紙であったがゆえに既得権者がいなかったこと、中央も深センに対して計画を押しつけられるほどのノウハウがなかったことにより、その高速なトライアル&エラーが「深セン速度」を生んだ。

1985年の深セン
現在の地図にプロジェクションマッピングによって描かれる、1985年の深セン。海岸線も都市の景観もまったく違う。わずか40年弱でここまで発展した場所は世界史上ないだろう