会社に「貢献できること」から
自分のキャリアを発展させてみる

 そんな「やりたいことができていない」と悩んでいる新人にぜひ考えてみてほしいのが、まず会社から与えられた「やらなければいけないこと」と、自分が仕事において「貢献できること」は何かです。

 社会に出てから2ヵ月程度では、まだ大した仕事はできないはずです。毎日同じ時間に起床できるようになったとか、ビジネスパーソンとしてのあいさつができるようになったといったレベルでしょう。だからこの時期は会社から与えられた「やらなければいけないこと」をがむしゃらにこなし、自分ができることを増やしていくしかありません。

 そしてある程度「これなら任されても大丈夫だ」と思えることができてきたら、「自分は何で貢献できるか」という軸で仕事やキャリア、社会を眺めていくのです。

 社会に出て、すぐ自分のやりたいことができる確率は低いので、それはいったん脇に置き、自分が何で貢献できるかという軸で仕事を考え、そのスキルやノウハウを一生懸命磨いていく。すると自分が想像していなかった世界が広がり始め、仕事が非常に面白くなってくる場合がよくあります。

 たとえば、会社の都合で本来希望していた部署とは異なる仕事に配属され、最初は辞めるつもりでいたのに、なだめすかされてやっているうちに面白くなり、30年以上にわたり一生懸命取り組んでいたら、その分野において日本を代表する権威になっていた、というケースもあるくらいです。

 これは自分が「やりたいこと」という軸ではなく、会社から与えられた「やらなければいけないこと」を経て、会社に「貢献できること」が身に付き、それを磨いていったらやりたい・やりたくないという次元を離れ、天職のレベルに昇華していった典型例といえます。

 つまり、「やらなければいけないこと」「貢献できること」という軸から自分のキャリアを発展させるアプローチもあるのです。