部下が「働く喜び」を感じるために、「良い仕事」に専念させているか?
前回は、「経営改革派のリーダーが失敗する理由」というテーマで、リーダーの言うことやミッション・ビジョン・理念などが部下に十分に伝わるための2つの条件の1つ目として、リーダーは「人望・人徳」を身につける必要があると述べました。では2つ目は何か?
小宮コンサルタンツ代表
それは社員に「働く喜び」を感じてもらうことです。そのためには「良い仕事」に集中できるような環境を整えなければなりません。
私が考える「良い仕事」の定義は3つ、(1)お客さまに喜んでもらえること、(2)働く周りの仲間に喜んでもらえること、(3)工夫、の3つです。
この3つに集中できれば社員は働く喜びを感じることができるはずです。現場で働く人ほど良い仕事をする(させる)ことに集中することで、働く喜びを深く感じることができます。そして、働く喜びを深く感じられた人ほど、リーダーの言葉や理念などを理解できるようになるのです。逆に働く喜びを感じられない人に、崇高なミッションや理念を話しても、伝わらないのです。
私の人生の師匠である故・藤本幸邦老師(曹洞宗・円福寺住職)がよくおっしゃっていたのが、「お金を追うな、仕事を追え」ということです。
「仕事を追う」から、工夫して、それをより速く、より良く、より多くやるようになる。それがまた仕事の質を高め、お客さまや周りの人に喜んでもらえ、より良い仕事をしようという気持ちになります。お金は、良い仕事をした対価、結果として回ってくるものです。
ところがお金を追ってしまうと、良い仕事ができず、結果としてお金を稼ぐこともできなくなります。