副業で失敗する人の原因とは?

 副業解禁がいよいよ現実のものとなってきた。副業は、普通の仕事だけでは得られない新しい人的ネットワーク、異なる思考様式や行動様式、プラスアルファの収入を稼いだりできる絶好の機会だ。

 ただ、これまで副業をしたことがなく、企業に勤めた経験しかなければ、いくつか気づかない落とし穴に直面する可能性がある。せっかく始めるなら、是非成功してほしい。長年NPOで社員の週末起業(副業)や独立を支援してきた経験をもとに、初めての副業での注意点をいくつか挙げてみたい。

【副業の注意点1】
あなたにとっては副業でも、相手にとっては本業

 副業で失敗する典型的なダメな人は、「どうせそんなに(給与を)もらっていないし」とか、「本業が忙しくなったからちょっと抜けます」などと無責任に言い放つ。

 しかし、少し考えれば誰でもわかることだが、あなたにとっては片手間の副業であったとしても、依頼主にとってその仕事は本業だ。あなただって、自分の外注先が「少額しかもらっていない」とか「別の仕事が忙しいから」などと言って自分が依頼した仕事をおろそかにしたら、相手のことを職業人として失格だと思うはずだ。

 副業だからといって、いい加減な仕事をしてはいけない。少額しかもらっていなかったとしても、一度受けたからにはミッションは完遂しなければならない。副業者の比較の対象は、外注のプロフェッショナルだと思ったほうがいい。その人たちは「本業」がそれなのだから、本気度が違う。

 確かに今は好景気だから猫の手も借りたいだろうが、ちょっと不況になると、不真面目な人は真っ先に切られる。第一、いい加減な仕事をしていては副業で得られる新しい思考や人脈も得られない。

 実は、いわゆる正社員以外の働き方がもてはやされた時代は、過去幾度もある。しかしリーマンショックなどの不況期に入るやいなやブームは去り、きちんと仕事をしているプロ以外は淘汰されてきたのである。

 ともかく、仕事において信用は第一である。本業であれ副業であれ、約束したことを完遂できない人に副業をする資格はない。