小室 会社にそういうことに取り組む発想がなかった、と。

大川 毎朝出社して、一生懸命コツコツやるのが大事、という考え方です。結果的に、どうしても残業が増えていたと思います。

 同じ時間を使うのでも、単純作業で1時間使うのと、次の機内販売の企画をワクワクしながら考える1時間って全然違うじゃないですか。今思えば、当時から「なんとかならないかな」と感じていました。

小室 そこから働き方を変えるにあたって、お客様からはどんな反応がありましたか。

大川 お客さまからはご理解をいただきました。「何時以降の電話・メールはしない」「会議は何時までに終わらせる」といった社内ルールを決めたのですが、そういうことに対しては「どんどん率先してリーディングカンパニーになれるように」という応援が多かったです。

「どうせ変わらない」を吹き飛ばした
調達本部の狭く深いトライアル

小室 ありがたいですね。社内からはどんな反応がありましたか。

大川 これは非常に個人差がありました。年齢層が高いほど、現状維持に安心を求める風土が強かったと思います。若手には、働き方が変わって柔軟性が出ることを歓迎する社員もたくさんいました。ただ、自分の上司が「現状維持派」だったらうまくいかないのでは、という懸念もありました。

小室 「どうせ、うちの部署は変わらないだろう」という懐疑心が拭えないことは他社でもよくありますが、そういった中でJALの働き方が変わった一番の理由は、どこにあったのでしょうか。

大川 成功したきっかけは、調達本部でトライアルを行ったことです。小さいところから始める代わりに、トップがしっかり旗を振って一丸となった。「広く浅く」ではなく「狭く深く」取り組んだということですね。