闇金と違い、4万円を借りた人は闇金業者からの取り立てに怯える必要はない。とはいえ、お金にルーズな多重債務者予備軍がこの手のサービスを使うため、最後は借り手が自己破産してクレジットカード会社が大損する可能性がある。

 この仕組みの問題は、闇金的なサービスの仲介をすることでメルカリも安全に利益を上げられるということだ。メルカリは問題発生後、現金の出品を禁止した。しかしすぐに、「お札でつくったペーパークラフトを売ります」「河原で拾った石を買ってくれたら4万円キャッシュバックします」といった脱法行為が相次いだ。

東証が上場を認めた理由は?
投資家から「企業寄り」との声も

 こうしたなか、金融庁は法的リスクの観点から、メルカリの上場に難色を示していたと見られるのだ。そんなメルカリが晴れて上場となったのは、なぜだろうか。注目されるのが、企業の上場の可否を判断する東証の意向である。

 実は東証の審査については、近年「企業寄りではないか」という指摘が相次いでいる。以前は東証の審査は投資家寄りであることを重視していて、粉飾をしたカネボウやライブドア、株主を虚偽表示していた西武鉄道など、有力企業が相次いで上場廃止にされていた。

 その東証の姿勢が、企業寄りになる転機になったと考えられる事件が2つある。1つは、2007年に日興コーディアル証券の不正会計が発覚した事件だ。これは組織ぐるみで行われた利益の水増しだと第三者委員会で認定され、その決算書を前提に社債の発行が行われたという点で悪質だった。しかし、課徴金5億円が課せられただけで上場は維持された。

 日興コーディアルの事件が「東証は身内に甘い」という理由による例外的な決着だったとすれば、一般企業の巨額不正会計にもかかわらず上場が維持された2011年のオリンパスの損失隠し事件の方が、より明確な姿勢の転機であったかもしれない。

 この事件をきっかけに、その後の東芝のように企業の存続すら危ぶまれる不正事件が起きても、上場維持の判断を下すといった体質へと、東証は変わって行ったように見える。