ビジネスの現場では、さまざまな問題が発生する。横領や商品の横流し、情報漏えい、採用時の経歴詐称など、じつに多種多様だ。創業53年、年間7000件の調査を行う総合調査会社「トクチョー」が、日々の調査業務で遭遇するビジネスの現場における事件とその教訓を紹介する。題して「調査員は見た!不正の現場」。1回目の今回は、ネットオークションにまつわる事件だ。
社内の在庫品を横領し
ネットオークションで転売
インターネットで買い物をするのが当たり前になると同時に、インターネットを介した不正案件も増え続けています。
「海賊版」や「フェイク品」といわれる偽物の販売、正規代理店以外による不正転売、商品を送らない代金詐取など、総合調査会社であるトクチョーには、いわゆるEコマース(EC)と呼ばれるインターネット売買に関する相談も数多く寄せられます。
今回は、そうした中でも、「インターネットオークション」に関わる不正調査案件について紹介しましょう。
従業員約50名、地方に工場を持ち自社ブランドで高級雑貨を制作・販売するA社は、小売店への提供だけでなく、都内に自社路面店を展開しつつ、インターネットでの販売も手掛けている企業です。