国連の調査を完全無視して
攻撃に踏み切ろうとしたオバマ

 この時、オバマは、なぜ「シリアを攻撃する」と宣言したのか?そう、「アサド軍が化学兵器を使ったから」だ。この件、日本人で疑いを持っている人は、ほとんどいないだろう。だが、次の驚きの情報を熟読していただきたい。

<シリア反体制派がサリン使用か、国連調査官
AFP=時事2013年5月5日(月)配信
[AFP=時事]シリア問題に関する国連(UN)調査委員会のカーラ・デルポンテ調査官は5日夜、シリアの反体制派が致死性の神経ガス「サリン」を使った可能性があると述べた。
スイスのラジオ番組のインタビューでデルポンテ氏は、「われわれが収集した証言によると、反体制派が化学兵器を、サリンガスを使用した」とし、「新たな目撃証言を通じて調査をさらに掘り下げ、検証し、確証をえる必要があるが、これまでに確立されたところによれば、サリンガスを使っているのは反体制派だ」と述べた>

 国連が調査した結果、化学兵器を使っていたのは、「アサド派」ではなく、「反アサド派」だった。「国連は『反体制派が化学兵器を使った』と報告しているが、『確定』ではないのでは?」という意見もあるだろう。

 その通りだ。しかし、だからといって、米国がこの調査結果を「完全無視」し、「アサド派だけが使った」と強弁するのも、かなり無理がある。

 化学兵器を「アサド派」も「反アサド派」も使ったのなら、米国は「アサド派」を攻撃し、(米国が支援する)「反アサド派」も攻撃しなければならない。オバマは、「化学兵器を使ったから攻撃する」と宣言したのだから。

 既述のようにオバマは結局、シリア攻撃をドタキャンしたが、その過程で「大きな嘘」をついたことは、否定できない。