プロジェクト数は
年10%の増加
アジア進出にも注力

 ようやく手応えのある仕事に巡り合えたものの、2000年から7年間ほど、西江は病気で苦しんだ。本格稼働できるまでに回復したのは2年前。ベンチャーの上場ブームには乗れなかったが、この間も会社は順調に成長してきた。

低コストかつ宣伝効果抜群の戦略PRで<br />業界に新風を巻き起こすアイデアマン<br />ベクトル社長 西江肇司わが社はこれで勝負!
中国で手がけたPRイベント。テレビチャンネル数が100ほどもある中国では、視聴者が分散しており、広告よりも戦略PRに分があるとみる。スタッフは現在50人ほどだが、5年で6~10倍に増やす見込みだ

 現在手がけるプロジェクト数はおよそ300。年間10%もの勢いで伸び続けている。

 成果も上々だ。例えばある外食チェーンの場合、この1年間の媒体露出を広告費用に換算すると、およそ100億円分となった。また、花粉症グッズは、ウェブでの露出を工夫することで売上高が3倍に伸びた。

 急激に成長しているからこそ、社員教育にも力を入れる。

 番組制作者や記者の目に留まるような企画を考えるクリエイティビティが必要なのは当然だが、過去のケーススタディでパターンを学べば、ある程度カバーできる。

 そこで、自社案件のみならず、他社や海外の成功案件までデータベース化し、社員が勉強できる仕組みを整えた。

 国内でもまだまだ成長余力はあるが、西江がさらなる成長のドライブに見定めているのはアジアだ。

 現在進出しているのは北京と上海。中国には日本の5倍のマーケットがあると見込んでいる。さらに、今年はシンガポールとインドネシアに進出する予定だ。

 「今後5年でアジア最大のPR会社に成長したい」。戦略PRに出会った当初の“手応え”が、今は確信に変わっている。(敬称略)

(「週刊ダイヤモンド」編集部 津本朋子)


にしえ・けいじ/1968年、岡山県生まれ。関西学院大学在学中に起業。テレビ番組の制作などさまざまな事業を経て2000年、戦略PR事業を軸に据えた。現在、利益ベースでは国内NO.1に躍進。

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