顧客の生活をアップグレードする「スープサンタ」企画
――ファンコミュニティ内で実施している施策についてお聞きしたいと思います。2016年末にクリスマス特別企画として「スープサンタ」を募集していました。スープを贈るという企画の狙いと反応について教えてください。
髙井 「じっくりコトコト」は20周年を機に「UPGRADE YOUR LIFE」をブランドメッセージとして掲げました。「じっくりコトコト」によりお客さまの毎日をUPGRADEするということですが、それならスープをプレゼントするという見せ方はないかという話が発端でした。冬に温かいスープをサンタが届ける企画は面白いよね、それならアンバサダー企画(顧客が周囲の人に商品を勧める)として“サンタ”を募集して、誰かにプレゼントしてもらう企画はどうだろう、という発想です。せっかくサンタになるのだから、スペシャルな体験をしていただきたいと、かわいい袋も作ったんですよ。そうしたら50名の募集に1000名を超える応募がありました。
――たしかに高級ブランドを思わせる作りですよね。コミュニティサイトでモニターを募集する企画はよく見かけますが、アンバサダー企画も人気があるのでしょうか。
松本 私たちが消費者コミュニティの運営支援をしてきた経験から言うと、アンバサダー企画はモニター企画よりも応募が集まりにくく、場合によっては半分程度しか集まりません。アンバサダーは自分が楽しむだけでなく、わざわざ誰かに商品を贈らなければならないため、応募者数は低くなりがちです。しかし「じっくりコトコト ファンコミュニティ」では、アンバサダー企画とモニター企画の応募者数の差が1:1.5くらいしかなかった点には驚きました。
髙井 私たちは当初、アンバサダーになってくださった方には、ママ友や知り合いに配って「このスープおいしいね」という話をしていただければいいと思っていたのですが、サンタの皆さんからは、お世話になった方や遠くの両親に感謝を伝えるためにプレゼントしたという声が多く集まりました。私たちが予想した以上に、このブランドには温かさを感じていただいているのだなと、私たちも温かい気持ちになりました。
――アンバサダー企画はサイトオープン後、1年近く経って実施していますが、何か理由はあったのでしょうか。
髙井 私たちはできる限り早くアンバサダーを募集したかったのですが……。
松本 アンバサダー企画を成功させるためには「場」(コミュニティ)が温まっていなければなりません。そのためサンタの時期まで待っていただきました。「場」が温まった2年目の2018年には、母の日や父の日に感謝の言葉と共にスープを贈る企画をしました。
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