日傘男子を阻む「男らしさ」の壁

 まずは、男性の日傘否定派の意見からチェックしていこう。意見を聞くと、否定派は「男性らしさ」「女性らしさ」という規範に、とらわれているということがわかる。

「男性の日傘は……、やっぱり女性っぽいというか、男らしくないように感じてしまいます。紫外線は気になりますが、やっぱり日傘をさすのは抵抗がありますね。周りからどのように見られているのかも気がかりですし、個人的には無理です」(40代男性)

「街で見かけるようになって、だんだん違和感を覚えないようになってきましたが、自分の彼氏が日傘をさしているところを想像するとちょっときついかも」(20代女性)

 理屈では、男性が日傘をさしてはいけない理由なんてないことはわかっている。しかし、どうしても「女々しい」という偏見が頭から離れない。そんな思いを抱いている人は多い。

 ある30代の男性は、化粧品やシャンプー、サプリメントなどにもこだわる美容マニア。実際に、見た目も実年齢よりもずいぶん若々しい。もちろん、日焼け止めを塗るなど、紫外線対策も行っている。しかし、そんな彼でも日傘には抵抗があるという。

「美容へのこだわりは、あくまで個人の趣味で行っていること。日傘をさすと、それを周囲にアピールしているようになってしまうことが、嫌だという思いがあります。男性が、身だしなみを整えたり、美容に気をつけるのは、今や常識。でも、男性の日傘には、まだ賛否があって好奇な視線にさらされる恐れがありますし、日傘をさしていることに対して、いちいち周囲に説明しなければいけないのが面倒臭いんです」

 この30代男性の場合、日傘をさすこと自体が嫌なのではない。「むしろ、紫外線対策だけを考えれば使いたい」そうだ。しかし、日傘をさすことで、「男のくせに、そこまで美容に気を使っているのかよ」と思われるのが嫌だという。それは、家で化粧水にこだわっているのとは、大きな差がある。「そんなことを言うならば、帽子だって紫外線対策の一環ではないか」という声も上がりそうだが、帽子と日傘とでは別物だ。