それは、早起きするために、寝るのも早いこと。
 これは、『天国おじい』の中でも紹介した「整理整頓が時間管理にもつながる」というおじいの教えともつながっていて、忙しいのにもかかわらず、たくさんの仕事をこなせるのは、時間管理をしてうまく時間を使っているわけです。

 もちろん、スケジュールや仕事の関係で遅くまで起きているケースもありますが、本物のお金持ちがダラダラと夜更かししているのをお見かけしたことはほとんどありません。
 本物のお金持ちからは、深夜にルームサービスの連絡が来ることはほとんどありませんが、早朝にルームサービスの連絡をいただくことがよくありました。
 なかには夜型のお金持ちもいますが、夜型であっても朝には「おはよう!」と元気にレストランにおいでになりますし、本書に出てきた女性起業家の奥村さま(仮名)のように、早朝から仕事に向かわれるお金持ちも多かったです。

 ちなみに、生前のおじいは毎晩10時過ぎには寝て、朝5時には起きていました。
「どうしてそうしていたの?」というボクの問いに、おじいは、
「それも師匠の教えがあったからだ。
 整理整頓の徹底をシゴかれた時、仕事量や体力を考えて、寝る時間は逆算して決めろって言われてね。だからそれが習慣になった。おかげで朝の時間に趣味の庭いじりができて、これで気持ちを切り替えることができたから仕事にも集中できた」
 と答えてくれたのです。
 さらに、早起きの習慣を作るコツも教えてくれました。
「早く起きよう、ではなく、目的をしっかり作ることが大切だ。
 わしだってただ趣味のために起きていたのではなく、どうしたら効率よく仕事がこなせるのかと考えての早起きであり、そのための庭いじりだったんだ。順番があったわけで、こういう考え方をするのも整理整頓の価値だな」

「早起きは三文の徳」とは言いますが、本物の成功者を観察すると、ただ朝早く起きればいいのではなく、時間管理の意識の高さと、朝早く起きてやるべきことの目的をしっかり把握することが成功につながるのだということを感じました。