ミドルやシニアのキャリアをめぐっては、いくつもの問題が指摘されている。
ミドルで言えば、企業内のポスト不足による停滞感や、人生の正午である40歳を越えて課題や困難が降りかかるキャリアの後半の過ごし方などだ。シニアなら、超高齢社会が進み年金不安や継続雇用の問題が表面化するなかでの雇用のあり方や適職開発をどう充実させていくか、などである。
本シリーズにおいても、バブル世代ミドルへの処方箋を掲載したり、心身ともに擦り切れる40代と充実感を得る70代を比較しながらキャリアのヒントを掲載したりしてきた。
さて、今回は、このミドルからシニアのキャリアのテーマについて問題の指摘はせず、ソリューションアプローチ(解決志向)の枠組みで、前向きな切り口を考えていくことにしたい。
ソリューションアプローチとは、すでにある資源・資質(リソース)に注目をし、未来の解決像を描きながら、アクションを起こしていくアプローチである。
アプローチの詳細は後述するが、問題・原因分析ではなく、未来のミドルやシニアのキャリアがどうなっているか、ビジョンやゴール、未来の解決像を描くことで、ミドルからシニアのキャリアを創造する糸口を伝えたいと思う。
では、さっそくデータから見ていこう。
昇進の重要度は9位
ミドルからシニアのモチベーション・リソースは?
図表1・2は、20代~70代の就業者の価値観を男女別にみたデータである。10種類の項目について、「非常に重要である」と答えた割合を折れ線グラフにした。(以下、データはすべてワークス研究所「20代~70 代の仕事における現在と未来についての調査」2012。分析上、対象サンプルは就業者、男性1792人・女性1295人、計3087人)