供給戸数が増え
購入者には良い環境に

「マンション買うなら今年。これから少し高くなるかもね。」

 あるマンションデベロッパーの社員がそう話していた。筆者も今年は“買い時”だと思う。2012年の不動産市況は明るくなりそうだ。その兆しがいたるところに見られる。

 兆しの1つ目は、公示地価の下落幅の減少だ。都心の複数のエリアでは、すでに上昇に転じている。おそらく、全体的な公示地価はしばらく上昇基調が続くだろう。

 そして2つ目は、今年のマンション販売数(全国)は、久しぶりに10万戸を超えると各専門機関が予想していることだ。10年程前には、20万戸に届こうかという勢いだったのが、ここ数年8万戸程度で低迷していた。多くの物件が供給されるということは、購入者にとって選択肢も増えるし、マンション市場に競争原理も働く。購入を検討している方にとって都合が良い状況になっていることは、まちがいない。

 気になる分譲マンションの平均販売価格については、06年以降、少し高くなっている。価格を広さ(坪数)で割った坪単価ではなく、販売価格が上がったのだ。

 その主な理由は2つだ。

1. 郊外物件が減って、より中心地物件が増えていること
2. 世界的な資材価格の高騰