アジアで成功する企業が
共通して持つ視点
前回に引き続いてのアジア進出の“肝”、今回はASEANを中心とした東南アジアビジネスの成功に必要不可欠な視点をお伝えしていく。
ここ最近、日本の大企業だけでなく、中小企業ともに、その活動領域は国境を越えてますます広がりを見せていると実感する。とりわけ、アジア市場への進出は際立っている。
その主な目的は、「ビジネスに関わるコストを下げる」、「アジアという成長著しい市場での売り上げを伸ばす」ことで、それを達成している企業の多くが、「国単位ではなく、周辺国を含む地域で捉える」という視点を持つ。
例えば、タイ、ベトナム、インドネシアといった1つの国だけでビジネス戦略を考えるのではなく、アジアの複数の国や地域を念頭にグローバルビジネスの戦略をデザインしていくということだ。
地域でグローバル戦略を
考えるということ
もちろん、グローバルビジネスを各国単位でなく、周辺国を含む地域で捉えそれを実行することは、今に始まったことではなく、以前からも物流や製造といった分野でも行われている。筆者が以前に勤めていた非鉄金属メーカーでも、日本で製造した中間製品をシンガポール経由でマレーシアの自社工場へ送り、そこで最終加工した後、フィリピンで鍍金処理を施し、そこから電子機器メーカーなど周辺国の最終顧客へ納入といった、各国にまたがったサプライチェーンが組まれていた。