「トランプ外交」が
中東大戦争を引き起こす可能性

 トゥスクは、「欧州と米露中が」という表現を使った。しかし、「貿易戦争」を開始したのは、米国である。そして、国際秩序を破壊している件についても、「クリミアを併合した」ロシアというよりは、「パリ協定」「イラン核合意」から離脱した米国のことを指しているのだろう。

「孫子の国」中国は、米国と欧州の亀裂を巧みに利用する。

中国は米中関係の悪化を見据え、欧州との関係を重視している。>(同前)


<李首相は今月ドイツを公式訪問して経済連携の強化で一致。10日には、ノーベル平和賞を受賞した民主活動家で昨年7月に事実上の獄中死をした劉暁波氏の妻、劉霞さん(57)を解放し、人権問題に関心の高い欧州諸国に配慮を示していた。>(同前)


 劉暁波氏の妻、劉霞さんも、中国にとっては「政治の道具」に過ぎない(それでも、ドイツに脱出できてよかったが)。

「アメリカファースト」を掲げるトランプは、これまで「有言実行」を貫いてきた。「公約を守ること」は、もちろん美徳だろう。しかし、その「公約」自体に問題があれば、約束を守ることで危機が起こることもある。

 「トランプ外交」の結果、起こる可能性のある「大きな災い」が2つある。

 1つは中東戦争だ。トランプ米国は、「イラン核合意」から離脱した。ところが、この合意に参加した他の国々、具体的には、イギリス、フランス、ドイツ、ロシア、中国、イランは「合意維持」を求めている。しかも、国際原子力機関(IAEA)は「イランは、合意を守っている」と宣言しているのだ。

 この件に関しては、「米国が正しい」と考える国は、イランと敵対するイスラエル、サウジアラビアくらいしかない。にもかかわらず、トランプは世界中の国々に「イランからの原油輸入をやめろ」「やめなければ制裁を科す」と脅している。

 これに反発したイランのロウハニ大統領は7月22日、「イランとの戦争が究極の戦争になることを(米国は)理解しなくてはならない!」と、米国を威嚇した。