2014年に防衛省が採用を決めた無人偵察機「グローバル・ホーク」は3機を474億円で購入するはずだったが、3機で600億円に値上げされた。

 20年間の3機の運用経費を含む「ライフサイクル・コスト」についても、米国は当初は約1700億円、と言っていたが、日本政府が採用を決めると3269億円に“修正”した。

 ステルス戦闘機F35Aもそうだった。防衛省は2012年度から42機購入することを決め、最初の4機は1機96億円だった。ところが米国はを翌年度には1機150億円に、2016年度には180億円に吊り上げた。日本政府もさすがにこれには反発、値下げを求め、17年度は147億円になった。

 17機の購入が決まっている垂直離着率可能の小型輸送機MV22「オスプレイ」も、最初の5機は計410億円、1機80億円余だが、パイロット、整備員の訓練費や維持費を含むと3600億円、1機211億円になる。

 米国側が当初は低い見積もりを日本側に示し、政府がそれを元に採用を決めて、一部の予算が付き、後もどりしにくくなったのを見計らうように米国が価格をを吊り上げた例は枚挙にいとまがない。

 日本政府が商社を通して米国の製造元の企業と契約していれば、契約通りの価格、期日で納入を迫れるが、「有償軍事援助」では、価格も納期も米政府の見積もりにすぎず、米側はそれに拘束されない。

 代金は前払い、米側は一存で契約解除もできるから米国はやりたい放題。民間企業がやれば独占禁止法に触れるような契約だ。

武器輸出が外貨獲得の手段に
第二次安倍政権で購入急増

 他国に売る予定だった装備を米軍が急に必要になったり、別の国への供与を優先したりして、納期を無視し後回しにすることもよくある。他国に圧力をかけ装備を国産することを妨害したり、時には政治的判断で武器供与を中止しながら、前払いさせた代金をすぐに返金しなかったりした例もある。

 米国はベトナム戦争の時期までは、気前良く同盟国、友好国に無償で武器を供与していた。しかしその後、財政と貿易の赤字に直面し、武器輸出を外貨獲得の手段とするようになった。

 だが武器の輸出を配下に武器を下賜する軍事援助のように思う感覚が消えず、得意先の国々に高飛車な態度を取るのだろう。