イージス艦とPAC3は
ミサイルの弾数が少なすぎる

 現在、日本の弾道ミサイル防衛は、イージス・システムと迎撃ミサイル「SM3ブロック1A」を搭載する「こんごう」型護衛艦(満載9630トン)4隻、および航空自衛隊が運用する短射程(20キロ弱)の「パトリオット・PAC3」移動式発射機34両から成り立っている。

 「こんごう」型イージス艦は、艦の前部と後部に計90発の各種ミサイルを縦に入れる「垂直発射機」を持っているが、各艦はミサイル迎撃用の「SM3ブロック1A」を8発ずつしか積んでいない。

 仮に100%の命中率があったとしても、相手の弾道ミサイル8発にしか対処できない。

 これに対して、北朝鮮が持つ核弾頭は「約12発」から「60発以上」と推定には大きな幅があるが、弾道ミサイル300発程度はありそうだ。

 北朝鮮が核付きと火薬弾頭付きのものを交ぜて多数、発射すれば、日本のイージス艦はそれに対し8発の迎撃ミサイルを発射すると、「任務終了、帰港します」となる。

 イージス艦が破壊できなかった弾道ミサイルは地点防衛用の「パトリオット・PAC3」で迎撃することになっている。1地点に各2両の移動式発射機を配置、首都圏と米軍基地を守る構えだ。

 その発射機には16発の迎撃ミサイルを入れられるが、各々4発、2両で8発しか積んでいない。「PAC3」は不発や故障に備えて1目標に2発ずつ発射するから、4目標にしか対抗できない。

 イージス艦やPAC3で装備されているミサイルが少ないのは、ミサイルの値段が高いためだ。イージス艦用の「SM3ブロック1A」は1発約16億円、「PAC3」は1発約8億円だから多くは買えないのだ。

 「こんごう」型は1隻約1400億円、「PAC3」の発射装置(目標探知レーダー車、射撃管制車、アンテナ車、電源車など10両余)は1セット約120億円だから、そのシステムの価格に対し、搭載する迎撃ミサイル数が不釣り合いに少ない。

 これではミサイル防衛は形ばかり、突破されるのは確実だ。

「こんごう」型より新しいイージス艦「あたご」型(満載10160t)2隻は新型の迎撃用ミサイル「SM3ブロック2A」を搭載し、電子装備を一段と強化するため現在改装中だ。

 さらにより大型(推定満載10600t)のイージス艦2隻も建造中で、一番艦の「まや」は先月30日に進水、2020年に就役の予定だ。その翌年にはもう1隻も就役し、イージス艦は計8隻になる。

 だがそれらが搭載する新型の迎撃ミサイル「SM3ブロック2A」は1発約40億円とされるから、やはり8発程しか搭載しない可能性が高い。