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畑 加寿也(ジャストインケース社長) Photo by Masaki Nakamura

 スマートフォンの急速な普及とともに、高額な修理費用に頭を悩ませる人が増える中で、今年7月、新種の「スマホ保険」が登場した。

 その特徴は、スマホの扱い方に応じて、故障や破損するリスクを人工知能(AI)がはじき出し、そのリスクに応じて保険料を割り引くことだ。

 スマホに標準搭載されている加速度センサーなどのデータを、専用のアプリが計測し、独自の「安全スコア」を算出。スコア(偏差値)が平均値の50なら保険料の割引率は30%、運動時に常に携帯していたり乱暴に扱ったりしてスコアが平均値より低ければ、割引率も低くなるといった仕組みになっている。

 開発したのは、金融と情報技術(IT)を組み合わせたフィンテックのスタートアップ企業、ジャストインケースだ。

 スマホの修理費用を補償する損害保険はすでに世の中に出回っていたものの、保険料の算出にAIを活用し、専用のアプリを使って加入から保険金の請求まで、スマホで完結できる保険はこれまでなかったという。

「若い人をはじめとして、保険をもっと身近なものにしたかった」。社長の畑加寿也は、スマホ保険の開発に至った自らの思いについてそう話す。

 保険数理人(アクチュアリー)の資格を持つ畑は、2016年末に会社を立ち上げる以前から、湧き上がってくる商品や事業のアイデアをかたちにしておこうと、ビッグデータとAIを活用した保険料計算のビジネスモデル特許を取得している。

 ただその一方で、起業してから実際にスマホ保険の販売に至るまでは、保険業界特有の規制が複雑に絡んでいたことで、苦労の連続だったようだ。