日本人の半数が定年時には単身に
今から自宅投資をどう考えるべきか
日本人の半数が定年時に単身になっている――。これが今から20年後に起こる確定的な未来である。今回は、単身者が自宅投資によって資産形成を目指すための考え方やノウハウをお伝えしよう。
まずは、単身者の現状から見て行こう。日本人の生涯未婚率は今後急速に高まり、2035年時点で男性が29.0%、女性19.2%になる(国立社会保障・人口問題研究所)。男性は約3割、女性は約2割が結婚しないということだ。都市部の未婚率は全国より高い分、東京都区部では男33%、女28%に達するものと筆者は予想している。
生涯未婚率とは、50歳の時点で一度も結婚したことがない人が同年齢の中で占める割合を言う。2035年に50歳ということは、「2015年に30歳だった人」を想定していることになる。そのうち都内に在住している人たちは、男女にかかわらず、約3割は生涯結婚しないというのだ。
◆生涯未婚率の予測
単身になる理由は未婚だけではない。1つは離婚で、もう1つは配偶者との死別だ。死別は老後に起こる確率が高いので、ここでは割愛しよう。
生涯未婚率が約3割なので、7割の人が一度は結婚するわけだが、厚生労働省の人口動態調査を基に計算(直近の離婚件数÷婚姻件数)すると、そのうち約35%は離婚していることになる。ざっくり言って、結婚した人の3組に1組がその後に離婚するのである。国民全体の7割にあたる35%ということは、0.7×0.35=0.245なので、およそ約25%に相当する。つまり日本では、全国民の4人に1人は離婚をしているのだ。4人に1人が結婚せず、4人に1人が離婚するということは、「2人に1人が老後を単身で迎える」ということに等しい。
ここでは「老後を単身で迎える確率」を、「老後単身率」と呼ぶことにする。「老後単身率=生涯未婚率+離婚率」である。