習近平もチャイナファーストを意識している!?
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習近平総書記が
“お荷物”的地域の東北地方三省を視察

 中国が69回目の国慶節を迎える直前の9月25〜28日、習近平総書記が東北地方三省(黒竜江省、吉林省、遼寧省)を視察した。

 近年、「東北振興」の4文字は中国経済を議論する上で一種の流行語のようになっている。「老工業基地」と呼ばれ、インフラ建設や都市化建設という意味では全国的にも“早熟”と言えた東北地区であるが、産業構造の最適化、成長モデルの転換、持続可能な発展、イノベーション、環境保護、市場化、民間企業の勃興、そして国有企業改革や過剰生産能力の解消といったテーマや目標が国家戦略の次元で掲げられる中、経済成長と構造改革双方の意味で“問題児”“お荷物”的に認識され、扱われるようになってきた。

 2017年度の経済成長率を振り返ってみると、黒竜江省が6.4%増、吉林省が5.3%増、遼寧省が4.2%増といずれも全国平均(6.9%増)よりも低い結果となっている。

 筆者は縁あって2016年9月から約1年間、遼寧省の省都・瀋陽市で生活した。2016年、同省の成長率は2.5%減でダントツ最下位であった(下から2番目は山西省の4.5%増)。そんな瀋陽で生活するなかで最も印象深く感じた光景が二つある。

 一つは筆者が所属していた遼寧大学オールドキャンパス付近の繁華街「北行」地区の大衆レストランにビール「買一送三」というポスターが貼られていた場面である。

 要するに、瓶ビールを1本買うと3本サービスで付いてくる、という仕組みだ。反射的に「そこまで景気が悪いのか」と実感したものである。その他、スポーツ用品店の前などを通っても、運動靴やウィンドブレーカーといった割と高価な商品が「買一送一」、すなわち1足(着)買うともう1足(着)がサービスになるなどの価格設定・商売感覚が日常化していた。