テクノロジーの進化でさらなる激変期に突入したメディア業界。これから数年で業界の序列は大きく変わるでしょう。勝ち残るのはどこなのか。連載を通じてメディアの近未来を模索していきます。第1回は『週刊ダイヤモンド』10月27日号の特集「メディアの新序列」のスピンオフとして、米経済メディア「QUARTZ」を買収した「NewsPicks」の梅田優祐代表取締役へのインタビュー拡大版をお届けします。日本に一時帰国していると聞いて急きょ取材をお願いしたところ、携帯電話に「今なら大丈夫ですよ」と連絡が入り、いきなり電話インタビューがスタート。さすがのスピード感でした。(聞き手/週刊ダイヤモンド副編集長兼ダイヤモンド・オンライン副編集長 山口圭介)
――米国の経済メディア「QUARTZ」を買収して米国での展開を加速させようとしていますが、日米のメディア業界の違いをどう見ていますか。
皆さんが想定しているよりも日米のメディアに違いはないと考えています。米国のメディアも次の収益モデルがどうなるのか模索している状況です。大きな違いはなく、むしろそのことに驚きました。
ただ、米国は日本と比べて、新興メディアのプレーヤー数が非常に多いのが特徴です。いずれも無料モデルで、記事を拡散して広告で収入を得るモデルです。皆が同じモデルでやっています。しかし、「BuzzFeed」もリストラを余儀なくされたり、この無料モデルには永続性に疑問があります。そこで、最近のトレンドとして、「BUSINESS INSIDER」なども有料課金へのシフトが始まっている。次のモデルが始まったところです。
一方で、「Wall Street Journal」(WSJ)や「New York Times」といったトラディショナルメディアは日本でいう「日経電子版」と同様、着実に有料会員を伸ばしています。
――日本で成功した「NewsPicks」のモデルは米国でも通用すると。