著名記者のジャマル・カショギ氏を殺害したとされる疑惑を巡ってサウジアラビアが外交危機に直面するなか、投資家は最近になって急増した同国の債務に対する懸念を強めている。2016年5月からの2年間で、サウジがドル建て国債やシンジケートローンで調達した資金はゼロから680億ドル(約7兆5600億円)に増加した。フィッチ・レーティングスのデータによれば、そのペースは新興国の債務増加の中でも最も速い部類に入る。サウジのデフォルト(債務不履行)に対する保険料はカショギ氏の失踪後に約30%上昇した。サウジはなお他の新興国市場に比べて安全だと考えられているが、保険料の上昇は、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子の外交や政治における破壊的な動きについて、投資家が懸念し始めていることを示す。