私がポール・アレンと出会ったのは中学1年の時だ。それが私の人生を変えた。私はすぐに尊敬の念を抱いた。彼は学校では2年先輩で、背が高く、コンピューターの天才であることを証明した(また後年、私には決してまねのできない見事なひげをたくわえた)。その学校の一部の生徒の母親たちが寄付したテレタイプ端末(タイプライター式の通信装置)を通じて、私たちは絆を深めた。そのうち、自由時間のほぼ全部を費やし、手当たり次第にマシンをいじるようになった。その頃の高校生はこっそり家を抜け出し、パーティーで盛り上がっていたものだが、ポールと私の場合は夜な夜な家を抜け出し、ワシントン大学の研究室にあるコンピューターをいじっていた。オタクっぽく聞こえるだろう。実際その通りだった。しかし将来につながる原体験でもあった。ポールがいなかったら、私にそうする勇気があったかは定かでないし、またあれほど楽しくなかったと思う。(コンピューターを一定時間、不正に「拝借する」ことは、2人のテーマみたいなものだった。私がハーバード大学入学後、許可なくポールに大学のコンピューター研究室を使わせた時には問題になった。)
ビル・ゲイツ氏:ポール・アレンが私の人生を変えた
マイクロソフト創業のきっかけは「Altair 8800」
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