サウジ首都で投資会議 人工都市の建設計画を発表 孫正義、ムハンマド・ビン・サルマーンPhoto:REUTERS/AFLO

 【東京】ハイテク投資家として知られるソフトバンクグループ会長兼社長の孫正義氏は今年の春、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子について、「すばらしい人、そしてすばらしい投資家」だと表現したことがある。

 その称賛は一方的なものではない。ムハンマド皇太子も資金規模が920億ドル(約10兆3500億円)の「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」に対し、サウジ側から450億ドル提供することを約束。同ファンドは米シェアオフィス運営大手ウィーワークなど、勢いのある新興企業へ数十億ドル規模の投資をしている。 

 だが両者のこのパートナーシップが今、ビジョン・ファンドの評判を傷つけ、その未来に影を落とす恐れが出ている。サウジアラビアの反体制派記者、ジャマル・カショギ氏がサウジの工作員らによって殺害され、遺体も切断されたとトルコ政府当局者らが主張しているためだ。同当局者らはムハンマド皇太子が殺害を指示した可能性があるとみている。一方、サウジアラビアはこれを否定している。

 カショギ氏の失踪から2週間、孫氏はこの事件についてまだ公に発言をしていない。

 失踪事件をめぐって非難の声が高まる中、来週サウジアラビアで開催される「砂漠のダボス会議」で登壇予定だった多くの著名人が会議への出席を見送っている。その中の1人が、孫氏と同じIT(情報技術)界のリーダーとして知られる米配車サービス大手ウーバーのダラ・コスロシャヒ最高経営責任者(CEO)だ。ソフトバンクは同社の筆頭株主でもある。また中国のベンチャーキャピタル、創新工場(シノベーション・ベンチャーズ)の李開復CEOも出席を見送るという。

 孫氏は同会議の登壇者として名前が載っていたが、ソフトバンクグループは同氏が予定通りに出席するか回答を差し控えるとした。一方、ソフトバンクのマルセロ・クラウレ最高執行責任者(COO)はカリフォルニア州サンノゼで開かれたテクノロジー関係の会議で、サウジアラビアで「何が起きているのか心配している」と述べた。

 ソフトバンク株は15日、この2年近くで最も大きく下げたが、その後は回復している。