男が、ある一定の年齢に達すると、妙齢の女性から「おじさまぁ~」と呼ばれるようになる。だからといって、男子たるもの、そう簡単に鼻の下を伸ばしてはいけない。
「ねぇ、ねぇ、おじさまったらぁ~」と甘い声を出して、腕に絡みつくようにしてきた場合は、警戒レベルを「5」ぐらいにまで引き上げて身構える必要がある。背中に冷や汗をかきながら、ウィンドウ‐ショッピングに付き合わされているようでは、その時点で「おじさま」の負けなのだが。
雑踏の中で鼻の下を押さえているときに、腕を急に引っ張られて、たたらを踏みそうになる。彼女の視線の先には、ウィンドウの中で着飾られたぬいぐるみが一体、鎮座していた。
女性がぬいぐるみを欲しがる動機というのは、男にとって理解の範疇を超える。「いま、目が合ったのよ」「アタシを呼んでいるわ」「ウチに来たがっているみたいなの」と、目をうるうるさせて訴える。
そのいじらしさに、つい騙されそうになるが、値札を見て男は現実に引き戻される。「おじさまぁ~」と呼ぶ女性には、そうやすやすと合いの手を入れてはならないのである。
とはいえ、女性も三十歳後半のアラフォーになると、「ローリーズファーム」などの店に入るのは、勇気がいるそうだ。筆者は今さら少年が着るような服に興味は持たぬが、女性はそうでもないらしい。いくつになっても少女が身に付けるファッションを手に入れたいという。
そこで重宝されるのが、「ZOZOTOWN」を利用したネット通販なのだそうだ。これなら気兼ねなく購入できる。女性の中には「隠れZOZOファン」が相当数いるものと、筆者は推測している。
ZOZOTOWNって何?
今回は、ローリーズファームを展開するポイントや、ZOZOTOWNを展開するスタートトゥデイそのものを検証しようというのではない。核心は、12年1月17日付の日本経済新聞で紹介されていた記事にある。すなわち、アップルの「iPhone」や「iPad」は、製造する20日前には現金回収を終えている、という事実の検証である。