アンゲラ・メルケル独首相は29日、12月初旬に実施されるキリスト教民主同盟(CDU)の党首選で、再選を目指さない考えを示した。CDUは週末実施された中部ヘッセン州議会選で大敗したほか、足元の世論調査で支持率が過去最低水準まで落ち込んでおり、党首辞任により責任を取る。メルケル首相は会見で「党首および首相として、成功も失敗も含め、すべてに責任がある」とし、「今のままでは続けられないとの兆候が出ている。政府のイメージは許容できないものだ」と述べた。また2021年に予定されている次回の総選挙には出馬せず、政界から引退すると述べた。一方で「発足から半年で連立政権が終わりを迎えれば、歴史上のジョークになる」として、首相としての任期を全うする考えを表明。だが、20年近く率いてきたCDUのトップの座を降りることで、首相を退く時期も早まる可能性がある。