社長の胸三寸で
失敗必至のプロジェクトが降ってくる
長い会社員生活、誰でも一度ならず、「筋の悪い意思決定」によって生まれたプロジェクトや事業の担当になってしまう経験をすることがある。
パターンとしては下記のようなものがある。
・「どこそこの会社(有名企業)ではこんなふうにやって成功している、うちでもやろう」と社長が言い出し、企業のよって立つ技術基盤や、彼我をとりまく事業環境の違いなどをまったく考慮せずに始まったプロジェクト。業態も陣容も違いすぎて、やみくもにまねてみたところで失敗は目に見えているにもかかわらず、である。
・今後、すぐに大きな技術革新や社会変革が起こることが分かっているのに、前時代の技術や認識、世界観をひきずったままの事業やプロジェクト。
・社内の営業部門と技術部門が対立し、妥協の産物でしかないどっちつかずで絶対成功しそうにない折衷案。
・自社の社長とA社の社長が意気投合し、一緒にやろう!と合弁会社の設立をプレス発表してしまったものの、社長たちが盛り上がっただけで、実態は何もない業務提携案件。
・M&Aをすることで「××のシナジーがある」ということになっているが、投資家は(しばらく)だませても、本当はシナジーなんてなにもないという企業合併……など。
こういう状況のなかで、自分の意に反して、その業務を担当させられそうになることがある。さて、あなたならどうするか。
まずはとにかく逃げる算段を!
無理なら「5つの作戦」で対処
第一にすべきは、「何が何でも全力で断り、逃げること」である。この際、仮病でも家庭の事情でも、いまの業務を自分が続けないわけにはいかない難しい事情でもなんでもよい。とにかく逃げることである。実はサラリーマンとして出世できるかどうかはこの「逃げる技術」にある。
それでも逃げ切れず、受けなければならないときもある。
そこで、これらのピンチを必死で乗り越えて来た先達が使ってきた代表的な戦術を挙げておく。必ずや将来窮地に陥ったあなたの参考になるはずなので、しかと記憶しておいてほしい。