電子商取引大手アリババ集団は、中国のハイテク大手として知られるが、根本的には、中国消費者を相手に製品を販売する中小企業向けのプラットフォームだ。中国の中小企業は、当局によるシャドーバンキング(影の銀行)への取り締まり強化や、それに伴う景気減速で打撃を受けている。そこに米中の貿易摩擦が加わっており、アリババが2019年3月期の売上高見通しを4〜6%引き下げたことに驚きはない。アリババは、注目のハイテク株というよりは、中国経済の先行きを占う上で目安となる先行指標のような存在だ。アリババは、出店業者の一部が厳しい状況に直面しているとして、ウェブサイト上での検索数増加などによる漸増型の広告スペースの販売を少なくとも当面、停止すると明らかにした。アリババは出店業者が支払う広告費から収益の大半を得ており、今回の決定は今後成長が鈍ることを指す。