「バニラヨーグルト」が仕掛ける!ファンと
社員をつなぐエンジン、つながったその先は?

――参加者はバニラヨーグルトのコアなファンが多いのでしょうね。

吉原 はい、この投稿などがいい例だと思いますが、コミュニティの「おしゃべりルーム」で、「これまでに発売されたフレーバーは何種類でしょう?」(答え25種類くらい)というクイズをやったとき、21種類の容器の写真を送ってくれた方がいました(画像を見せる)。

「バニラヨーグルト」が仕掛ける!ファンと社員をつなぐエンジン、つながったその先は?コミュニティに投稿された、過去に発売された21種類の容器を並べた写真。

齋藤 これはすごいですよね。うれしい限りです。

――運営面で気をつけていることはありますか。

齋藤 私たちはバニラヨーグルトのことをもっと知っていただきたいと思っているのですが、そこに宣伝色が出ないよう心がけています。クオンさんに入っていただいているので、客観的な運営ができているのではないでしょうか。また、始まる前は社内から炎上の心配なども寄せられましたが、トラブルはまったくないですね。

「ヨーグルトを凍らせて食べる」
キャンペーンで店頭販促も

――コミュニティから発信された食べ方として、「バニラヨーグルトを凍らせる」というのがあったそうですね。

齋藤 実はコミュニティが立ち上がるずっと前から社内のバックボーンとして「凍らせて食べる」というのはあったんです。そこで2002、03年ごろから小売店さんに夏の食べ方として提案してはいたのですが、実際にお客さまに受け入れられているのかどうかはわかりませんでした。コミュニティで「バニラヨーグルトのおいしい食べ方」が話題になったとき、「凍らせる」という声が出てきて、ああ受け入れていただいていたと、実感することができました。

吉原 オープンから1年でCDM(コミュニティ・データマイニング)という独自の分析を行っているのですが、喫食頻度が上がった人に影響を与えているコメントのなかに「凍らせて食べる」というものが含まれていました。この事実と、社内でも凍らせる食べ方をしていると伺っていたので、販促活用を視野に入れたコミュニティでのキャンペーン企画をご提案しました。

関戸 2017の冬から2018年の春にかけて「LOVEフローズン大作戦」という6カ月近いキャンペーンを打ちました。冬の段階で凍らせる食べ方は実践されないかもしれないと思っていましたが、こたつに入りながら食べたり、早速やってくださる方が多く、さすがコミュニティの会員さんだなと思いました。うれしかったですね。キャンペーンで集めたユーザーの声を、夏にはPOPにして店頭に掲出しました。コミュニティの成果をウェブ上だけで終わらせずにリアルにつなげるということを意識して成果につなげることができました。

――コミュニティ発のイベントとして工場見学を実施したそうですね。

齋藤 2016年と2017年の2回、京都工場で行いました。お客さまと直接お会いするのは、初めてだったので、受け入れ側の私たちがガチガチに緊張していました。バニラヨーグルトの熱いファンの皆様なので、落胆させてはいけないと……。皆様が工場に着いて、まず自己紹介を兼ねて「私とバニラヨーグルトの思い出」を話していただいたのですが、いろいろなエピソードを聞くことができて感動しました。

吉原 それまでヨーグルトが苦手だった方が、バニラヨーグルトをきっかけに、ヨーグルトのおいしさを知って、食べられるようになったというお話が多かったですね。

関戸 京都工場には一般の見学コースがないため、私たちにとっても初めての体験でしたから、ドキドキしながらお迎えしました。参加は1回目が30人ほど、2回目が20人ほど。1回目はガラス越しに製造ラインが見える部屋で工場の説明をして、グループに分かれてクイズ大会を行い、優勝したグループだけ製造現場へ入りました。社員も答えられないかもしれない難しい問題を用意したのですが、みなさん正解してくださって、決着がついたのは最後の問題でした。それほど熱い思いを持っていただいているのに、安全上の問題があり、少人数の方しか製造現場に入っていただくことができなかったのは残念でした。

齋藤 事情があるとはいえ、入れなかったお客さまには申し訳ないので、2回目は社員がタブレット端末で撮影しながら製造ラインを歩き、全員で中継を見る形にしました。

関戸 このイベントはアットホームなものにしたいという思いがありました。コミュニティに投稿されたレポートに、工場見学をきっかけに日本ルナという会社も好きになったと書いてくださって、私たちの思いが届いたとうれしくなりました。管理部門の社員も来ていて、最初は緊張していましたが最後は感動していました。

――3回目のコミュニティ発のイベントは座談会に変わりましたね。

吉原 関東でもやって欲しいという声があり、少人数の座談会を1日2回開催しました。テーマはいろいろ用意しました。例えば、新商品を開発するとしたら? とか、8月に期間限定のカフェ「VANILLA YOGURT CAFE」というイベントを控えていたので、提供するメニューや容器のデザインについて意見を伺ったりしました。

関戸 印象に残っているのは、青汁をヨーグルトに入れて食べているという話題が出たときに、私も! 私も! という声が上がったことです。いろいろな食べ方を楽しんでいただいているんだなと。工場見学も良かったですが、座談会にも良さがありましたね。

【PR】

新着
業界
学び
特集
書籍
業界
製造業 銀行・証券・金融 保険 建設・不動産 コンサル・士業 商社 運輸・物流 IT・通信 AI・テクノロジー エネルギー 医療・製薬 食品・農業 小売・外食 サービス・エンタメ メディア・広告 スタートアップ・新規事業 教育 財閥・学閥 予測・分析
学び
経営・戦略 マネジメント ビジネス課題 ビジネススキル 営業・マーケティング マネー・投資 相続・節税 年金 キャリア・働き方 受験・子育て 教養