ソフトバンクグループは海外資産の買収に大枚をはたくことで知られている。だが国内の携帯子会社について投資家に同じように太っ腹になってもらおうとしても、説得するのは難しそうだ。ソフトバンクは12日、携帯子会社「ソフトバンク」新規株式公開(IPO)について、東京証券取引所の承認を得たと発表した。同社はソフトバンク株の37%近くを売却し、最大230億ドル(約2兆6000億円)の調達を目指す。調達資金は1000億ドル規模を誇る傘下のテクノロジーファンド「ビジョン・ファンド」を通じ、さらに多くのハイテク業界ユニコーン(評価額が10億ドル以上の新興企業)に投じられる可能性がある。だが、携帯子会社の評価額は630億ドル近くに達することになり、あまりに高額だ。NTTドコモやKDDIは、企業価値(EV)がEBITDA(利払い前・税引き前・償却前利益)の平均5.2倍となっている。ソフトバンクにこの倍率をあてはめれば、同社の企業価値は520億ドル。純負債を差し引けば、時価総額は250億ドルに低下する。
ソフトバンク、携帯子会社IPOは高望み
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