外資系CAから吉本のお笑い芸人に転身したという異色の経歴を持つCRAZY COCOさん。これまでに5度の転職を経験し、その間にはお金に苦労する日々を送ったこともあれば、ドバイで華やかな生活を送った経験も! 今回はそんなCRAZY COCOさんが、さまざまな経験を通じて培ってきた独自のおカネ観をインタビュー!(渡辺賢一、ダイヤモンド・ザイ編集部)

「ダイヤモンド・ザイ」2025年9月号の「あの人に聞きたい! おカネの本音!」を基に再編集。データはすべて雑誌掲載時のもの。

新卒で入ったタオル商社は驚くほど薄給!
CA転職で給料は2倍になり、世界を優雅に飛び回るように!

CRAZY COCOさんのプロフィールCRAZY COCOさん●1986年9月6日生まれ、大阪府出身。吉本興業所属の元外資系CA芸人。新卒で入ったブラック企業の商社を辞め、27歳で外資系航空会社のCAに転身。その後、会社員として複数の職を経験する。2021年、脱サラしてお笑いの世界へ。その年の『女芸人No.1決定戦THE W』に参戦し、アマチュアで準決勝に進出する。SNSやYouTubeでネタ動画が話題。

――元外資系航空会社のキャビンアテンダント(CA)で、今は吉本興業所属の女芸人。まさに異色のキャリアですね。ドバイに本社がある航空会社のCAをされていたとか?

CRAZY COCO はい。2014年から4年半、勤めました。その後、いろんな仕事を渡り歩き、2022年から吉本興業の芸人として活動しています。といっても、劇場にはあんまり出ないタイプの芸人なんです。

――主にYouTubeやSNSで活動されていますね。「元外資系CAが実践した英語学習」や「CAからお客様への逆クレーム募集したら不満の溜まり方が異常だった件」など、笑ってしまうけど、少しためになる動画が面白かったです。

CRAZY COCO おおきに(笑)。これまでに5度転職してますけど、CA時代の経験はかなり強烈でしたからね。その経験がお笑いに生かせているんですから、ホンマ、人生って無駄がないなって思います。

――でも、最初からCAになるつもりはなかったそうですね。

 CRAZY COCO 大学を卒業して、最初に入ったのはタオルの商社です。在学中、10カ月間オーストラリアに留学し、それなりに英語が話せるようになったので、英語を使ってバリバリ働ける商社がカッコいいなと。

 ところが、いきなり中国担当に回されて、せっかく勉強した英語が全然役に立たず。しかも、給料が手取りで14万~15万円だったので、とても食べていけないと思いました。すぐに辞めると転職に響くと考えたので、3年間は何とか歯を食いしばって頑張りましたが。

――その後、外資系の航空会社に転職するわけですね。

CRAZY COCO 留学していたときの友だちが「世界中飛び回れて、楽しみながらできる仕事だし、待遇もすごいよ!」って薦めてくれたんです。1回落ちた後、CAの養成学校で半年間勉強し、2度目の挑戦で合格。そのまま、その航空会社の本社がある中東のドバイに引っ越しました。

――ドバイの生活は、どんな感じだったのですか?

CRAZY COCO まさに豪華絢爛でしたね(笑)。給料は手取りで約35万円と、タオル商社時代の2倍以上で税金もゼロ。しかも無料の寮が用意されているので、住居費は一切かかりません。それに、CAは通常運賃の1割ほどの料金で飛行機に乗ることができるんです。だから、非番のときはヨーロッパ旅行をしたり、大阪に帰ったり、世界中を優雅に飛び回っていました。

――そんなうらやましい生活を満喫できていたのに、なぜ4年半で辞めてしまったのでしょう?

CRAZY COCO CAとして派手な生活を送るうちに「このままでは、自分を過大評価してしまうのでは」と不安を感じるようになったからです。辞めて日本に戻ってからは、英会話スクールのコンサルタント、総合商社、特定技能を持つ外国人の採用を支援する会社など転職を繰り返しました。

 そんなときに新型コロナにかかって寝込むことに。「このまま、やりたいこともやらずに死んでいくのは嫌や!」と強く思いました。それまでは“仕事はあくまでおカネを稼ぐための手段”という意識が強かったのですが、価値観が180度変わってしまったんです。