オンラインで洋服を購入したいが、サイズが合うかどうか不安――。それで実際の購入に二の足を踏んだことがあるのは、筆者だけではないと思う。何度か実店舗で購入していて、そのブランドのサイズがわかっていればいいが、初めての店で、いきなりオンライン購入するのは勇気がいる。

 アメリカの場合、簡単に返品ができるので、サイズが合わなければ返せばいいのだが、もう一度梱包し直して郵便局などに持っていくのは、面倒な上に時間がもったいない。

これが「UPcload」のための撮影ポーズ。

 こうした問題を多少なりとも解決してくれる新技術が登場し、有名小売店サイトでの導入が始まっている。1つは消費者にいくつかの質問を提示し、その回答をベースに合うサイズを提案してくれるアメリカの「True Fit」。もうひとつはウェブカメラを使ってサイズを測定するドイツの「UPcload」だ。

「True Fit」は米大手デパートのNordstromとMacy'sが、「UPcload」は米アウトドアブランドのTHE NORTH FACEほか、ドイツの12ブランドが採用を決めている。

 どのようなものなのか、実際に試してみた。

「True Fit」ではまず、自分が現在着ているブランドについて質問される。ブランドを2~3種類選び、それぞれのタイプ(ワンピースなのか、トップスなのか、ジーンズなのかなど)、サイズを選択する。これは、ブランドによって微妙にサイズが違う点を考慮しているためだろう。

 次にボディタイプ(バストの位置やサイズ、体型、ヒップの形など)を選び、身長と体重、年齢を入力。するとプロフィールが登録されて、たとえばNordstromのサイトで服を選ぶと、適切なサイズを勧めてくれるという仕組みだ。

 少々面倒ではあるが、よりサイズが正確なのではないかと思えるのが「UPcload」だ。こちらは実際にパソコンのウェブカメラを使って、4種類のポーズを撮影する。サイズの正確を期すため、1つのポーズでは、CDまたはDVDをおなかの中心に当てて撮影する。

 また撮影時には、白い壁の前に、黒っぽい服を着て立つ必要がある。あとは「UPcload」のソフトウェアが、自動的にバストやウエストなどのサイズを算出してくれる。「ビジネスウィーク」の実験では、プロの仕立屋が測定した数字と1.5センチ以内の誤差しかなかったそうだ。提携サイトで衣類を購入する際には、この測定値をもとにサイズが提示されることになる。

 消費者にとって便利なだけでなく、店側にとっても返品が減る、オンラインでの売上が伸びるというメリットのあるこの技術。今後さらに洗練され、多くのオンラインサイトで採用されることになると思われる。

(岡 真由美/5時から作家塾(R)