今のところ、関税がクリスマスを台無しにする兆候はほとんどない。先月にはインフレが回復し、米労働省が14日に発表した10月の消費者物価指数(CPI、季節調整済み)は前年同月比2.5%の上昇となった。その多くをガソリン価格の上昇が担ったが、相場は原油市場の大幅な下落を受けて既に反転している。食品とエネルギーを除いたコアCPIの上昇率は前年同月比2.1%と、9月の2.2%を小幅に下回った。インフレ率がさほど高くなかったことはやや意外だ。米国は9月下旬に中国からの輸入品約2000億ドル相当に対する10%の関税を発動したからだ。そのうちの700億ドル前後を消費財が占めている。労働省の発表を掘り下げても、関税によるコスト上昇が消費者に転嫁されている証拠はほとんどない。衣料品も今回の関税の対象だが、10月の価格は前月比で0.1%の上昇にとどまっており、前年同月比では0.4%低下している。自転車も関税リストに載っているが、自転車を含むスポーツ用品の価格は前月比1.7%低下した。
米クリスマス商戦、関税の影響はひとまず回避へ
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