来夏に行われるビッグマッチを「全席無料」にしたDDTプロレスリング。“採算度外視”としか思えないが、高木三四郎社長は「昔から赤字が大嫌い」と言う。一体何を考えてのことなのか。話を聞いた。(取材・文/フリーライター 池田園子)
独特な興行を展開する
DDTプロレスリング
話題性のある企画でプロレス業界を賑わすDDTプロレスリング(以下、DDT)。夏季限定のビアガーデンプロレスや路上で行う路上プロレスなど、他団体にはない独特な興行を展開することでも知られる。
旗揚げ20周年を迎えた2017年には、サイバーエージェント社の子会社となったことも大きな注目を集めた。以来、同社のインターネットテレビ局「AbemaTV」で試合が放送されるようになり、新たなファン層もつかんでいる。
さらに2019年も攻めの姿勢だ。現時点で最大のトピックといえば、来年7月15日に開催する夏のビッグマッチを「全席無料」としたことだろう。興行収入で稼ぐ会社としては「あり得ない」施策とも言える。
会場は約4000人を収容できる大田区総合体育館。
なぜ採算を度外視してまで、無料イベントとしたのか。「昔から赤字が大嫌い」と言うDDT社長兼現役レスラー、高木三四郎氏に同大会の狙いや企業戦略を尋ねた。
広告費と考えれば
「無料」はプラス
大田区総合体育館といえば、スポーツイベントで使われる都内有数の施設の1つ。