週刊ダイヤモンド2014年12月13日号の第2特集は「稼ぐコンテンツに変貌 新日本プロレス復活の秘密」。集客さえままならない苦しい時代も新日本を支え続けた立役者が棚橋弘至だ。新日本のエース、「100年に1人の逸材」に話を聞いた。(聞き手/週刊ダイヤモンド編集部 柳澤里佳)

「今のプロレスってこんなに面白いんだよ」

たなはし・ひろし/1976年11月13日生まれ、38歳。岐阜県大垣市出身。99年、立命館大学を卒業後、新日本プロレスに入門。同年10月デビューを飾る。2006年7月、第45代IWGPヘビー級王座に。現在、第61代IWGPヘビー級王者。 Photo by Kazutoshi Sumitomo

──新日本プロレスが女性や家族連れなど新たなファンを得て、再び盛り上がっている状況をどう見ていますか。

 やっぱりイメージを変えたことが大きいと思います。「選手もファンもオジサンで、痛そう、怖そう、汗臭そう」――そうした先入観を壊して「今のプロレスってこんなに面白いんだよ」って伝えたくて。

 プロレスに負のイメージがある人、そもそもプロレスを見たことがない人に、いきなりプロレスに興味を持ってもらうのは難しい。だからまず棚橋弘至という人間に興味を持ってもらうため、プロモーション活動をしてきました。

 地方のラジオに出演するときは、いろんな話をして、「なんだか面白そうなヤツがいるぞ」と知ってもらう。それで会場に来てもらえたら、占めたものです。

 プロレスファンのパイを増やすためには、分業制でいい。僕を「入り口」にして試合を見てもらえれば、爽やかアスリート系、男くさい肉食系、アンダーグラウンド系など、個性ある実力派の選手がそろっているので、きっとお気に入りの選手が見つかるはずです。

──新日本プロレスが低迷した時代はどんなことを考えていましたか。