ジャック・マー氏が中国共産党員という報道に世界は驚いたが…
ジャック・マー氏が中国共産党員という報道に世界は驚いたが… Photo:REUTERS/AFLO

ジャック・マー氏が
中国共産党員という報道に世界が驚愕

 中国を代表する党機関紙『人民日報』が中国を代表するIT企業アリババ(本社浙江省杭州市)の創業者であるジャック・マー(馬雲)氏が中国共産党員であることを報じたことが、とりわけ国際社会で物議を醸しているようである。ニューヨーク証券取引所に上場する同社の株価や投資家心理に何らかの質的影響を与えるのだろうか。

 同紙は改革開放の40年に貢献した100人の人物を表彰する記事(11月26日付)を掲載した。マー氏はその中の1人で、その略歴の中に「中共党員」という情報が「男」「漢族」「1964年9月生」といった他の情報と並列的に記載されていた。

 中国において「党員」というのは日常的に語られ、扱われる身分の1つであり、同記事のなかで、マー氏が共産党員であるか否かに特別な意味は含まれていないであろう。

 一方で、世界に羽ばたく民営企業家の1人であるあのジャック・マーが共産党員であったという事実に海外のウォッチャーや関係者が驚愕したということであろう。

『人民日報』直系の国際紙『環球時報』は社説“中国の民営企業家のなかで党員は馬雲1人では決してない”(11月28日付)において、西側メディアのマー氏が党員だったことに関する報道や解説を「中国人からすればとても奇怪な解読」であるとし、「これらは西側メディアの中国の体制に対する大きな誤解と偏見を露呈している。中国では全くもって正常な事情が“異端”として描写されてしまった」と反駁(はんばく)した。

 往々にして西側社会や価値観を警戒し、対抗意識すらにじませる同紙らしいコメントであったが、と同時に、上記の「中国では全くもって正常な事情」という描写は筆者が過去15年間、中国の各人と付き合ってきた感覚や観察とほぼ合致するものである。