米国と中国は貿易交渉ですでに反目し合っているが、中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)の幹部が逮捕されたことで、対立はますます激しくなりそうだ。ハイテク大国を目指す習近平国家主席の野心にとって、これは大きな打撃となる。ファーウェイは激化する米中摩擦の渦中にあった。習氏は今夏、米半導体大手クアルコムによるオランダのNXPセミコンダクターズ買収を実質的に阻止するよう、中国規制当局に命じた。複数の関係者によると、ファーウェイを守ることが目的だったという。ファーウェイは将来の通信事業を一変させうる次世代モバイル通信網の世界的リーダーだ。関係者によると、クアルコムとNXPが合併すれば、第5世代移動通信システム(5G)の覇権争いで、ファーウェイにとって強大な競争相手が誕生しかねないと習氏は判断した。